批判集まるタクシーの「違法駐車」 しかし裏には、同情すべき乗客からの「無理難題」があった!

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タクシー業界の内情を知る現役ドライバーが、業界の課題や展望を赤裸々に語る。今回は「違法な駐停車」について。

要注意、都内で摘発率の高い場所

街を行くタクシーのイメージ(画像:写真AC)
街を行くタクシーのイメージ(画像:写真AC)

 東京都内で営業中、タクシーがらみの「駐停車禁止」で特に有名な場所は、六本木交差点周辺と新宿駅南口の甲州街道の橋の上だ。

 後者の新宿駅南口は、2016年に開業した交通ターミナル「バスタ新宿」にタクシー乗降場ができて以降、全面禁止となった。

 お客さんを乗せても降ろしてもダメ。だから乗客から最初に行き先を聞いた際にこれらの場所を指定された場合は、あらかじめ違反の理由を告げて、手前かその先で降りてもらうことになる。

 ところが運転手も「良かれと思って」という乗客への気遣いや、慣れた慢心も重なって、うっかり違反をしてしまえば途端に取り締まり中の警察官が飛んできて“御用”となる。

 他にも、交差点内やその5m以内も駐停車禁止エリアだから、たとえ客が手を上げてもタクシーは止まってはいけない。「合図したのに乗車拒否された」などとタクシー会社に連絡する人もいるが、これは客側の勝ち目のない内容だ。

 逆に、タクシーが交差点付近で客待ちしているのを見かけた場合は、横断歩道の通行の妨げになる違反行為なので、通報の対象となる。

 違反も悪質とみなされると、警察からタクシー会社に通報され、さらに監督官庁の国土交通省関東運輸局に連絡が入り、すぐ監査が入り、台数を減らされる行政処分となる。見逃しは一切ない。

 東京タクシーセンターではときどき行政処分になった原因と対策をタクシー会社に知らせている。

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