批判集まるタクシーの「違法駐車」 しかし裏には、同情すべき乗客からの「無理難題」があった!
タクシー業界の内情を知る現役ドライバーが、業界の課題や展望を赤裸々に語る。今回は「違法な駐停車」について。
ときに乗客から無理難題も
タクシー運転手は基本的に、乗客の指示通りに走らなければならない。しかし時には理不尽にも、道路交通法違反を“強要”されそうになることもある。
一方通行の道にもかかわらず「脚が不自由なので、自宅が一方通行の出口にあるから逆進してほしい。ほかの運転手はいつも走ってくれる」。Uターン禁止の道路標示があるのに「ここを反対側にUターンして、早く」。
バスが後ろから走ってきているのに「バス停で降ろしてくれ。そこが目的地に一番近いから」。交通量の多い片側2車線の幹線道路にタクシーを停車させて「30分くらい荷物を運ぶの手伝ってよ」……。
新人のときは「えっ、お客さん、それってマジですか」と困惑する場面もしばしばあった。
言われた通りに交通違反をすれば当然、運転手の責任となり、摘発されれば罰金と違反点数が課せられる。乗客の側には何のおとがめもない。
今回は、現場で起きた実例などを交えて紹介したい。タクシーをネタにした漫才や落語はいろいろあるが、オチが付かずに泣かされるネタは次々とあって、まるで尽きることがない。