都バスの魅力を改めて痛感! ベテラン散歩ライターが感激した機能「ニーリング」とは何か

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散歩ライターの筆者は足を悪くして、改めて都バスの魅力について気づいた。

人気がないので廃止された上野駅から品川車庫まで走っていた501系

都営バスの1日乗車券(画像:増田剛己)
都営バスの1日乗車券(画像:増田剛己)

 しかし調べてみると、かつては上野駅から新橋駅などを経由して品川車庫まで行く501系という、南北を走る都バスがあったらしい。

 しかし、この路線はJR山手線や東京メトロ銀座線と同じようなところを走っているためか人気がなく、1969(昭和44)年に廃止されたという。

 そのときは「人気がなければ仕方がない」と思ったのだが、その後、筆者は足を悪くして、「ちょっと待ってくれよ」となった。

 足を悪くして、以前とは違った理由で電車よりも都バスを利用するようになった。というのも、電車に乗るには階段の上り下りが必要で、足が悪いと厄介なのだ。もちろん最近はエレベーターもあるが、遠回りだったり、分かりづらかったりする。その点、バスは道路を走っているので、階段を上ったり下りたりする必要がない。

ノンステップバスよりニーリング付バス

ノンステップバス(画像:増田剛己)
ノンステップバス(画像:増田剛己)

都バスの車体に「ノンステップバス」と書かれていたのは、足を悪くする前から知っていた。とはいえ、それがどんなものなのかは気にかけてなかった。足を悪くして初めて、ステップがないバスだと意識するようになった。床面高さを約30cmとし、ステップをなくしたバスだった。

 階段の上り下りが途端に苦手になった。わずかな段だが、バスに乗り込むときの階段も大変だ。コミュニティーバスなどは、いまだに階段状の入り口があって難儀する。それがノンステップバスだと、とても楽だ。都バスは2012(平成24)年までに全てのバスをノンステップ化している。

 ノンステップ化だけでもありがたいのに、さらに都バスはニーリング付バスとなっている。ニーリングとは車高調整装置で、エアサスペンション(空気バネ)の空気を抜き、車高を下げ、乗客の乗り降りを容易にしている。バスがバス停に止まるたびに傾いて、乗客が乗りやすいような高さに車高を下げてくれているのだ。

「都バスってここまでしてくれているのか」

と、足を悪くしてから感動することになった。

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