EVアンチをついに論破? もはや爆速普及が否定できない「8つの根拠」

キーワード :
, , , , ,
EV普及に対して、日本国内ではさまざまな理由から否定的な言説が根強い。それらの信ぴょう性をひとつずつ検証する。

1. CO2排出が多い?

車種別の製造~廃棄のCO2排出量(画像:CARBONCOUNTER)
車種別の製造~廃棄のCO2排出量(画像:CARBONCOUNTER)

 世界がエンジン車ではなくEVに移行する最大の理由は、言うまでもなくCO2の排出量削減だ。ところがこれに対して「(特に火力発電が多い日本において)電池の製造や発電による排出量が多く、排出量の削減にならない」との指摘がある。

 それでは環境に与える影響を正しく判断するにはどうすればよいのだろうか。ひとえに計算の根拠となるデータや計算方法が非常に重要であり、例えば電池の製造効率が低く再エネも活用されていない従来の数値を用いれば、当然ながら排出量は多くなる。

 そこで本記事では、米マサチューセッツ工科大が開発し、多くの学術論文で引用されている計算ツールである「CARBONCOUNTER」を用いて検証する。

 結果は図のように、縦軸で上に行くほど排出量が多く、下に行くほど少ないことを示す。たしかに個々の車種で比較するとEV(黄色・赤色)よりエンジン車(黒色)やHV(ピンク色)のほうが排出量が少なくなる場合もあるが、この指摘は「木を見て森を見ず」と言える。あらゆる車種を全体で比較すると、明らかにEVのほうが少なくなるからだ。

 上段は現在の発電方法を想定して1kWhを発電するのに550gのCO2を排出する前提で計算したものだが、2021年に政府が発表した2030年目標では発電を含めて全体で最低46%、可能であれば50%削減するとされている。

 仮に将来的に発電による排出量が約半分の1kWhあたり280gに削減されれば、下段の通りエンジン車とEVの差はさらに広がることになるほか「EVは車両を購入したあとでも発電方法が変われば二酸化炭素の排出量が削減される」という点が重要である。

全てのコメントを見る