EVアンチをついに論破? もはや爆速普及が否定できない「8つの根拠」
日本でも普及するのか?
これまで指摘してきたように、海外ではEVが急増しているが、日本国内でも普及するかどうかは現時点では不透明だ。EVが普及するためには充電インフラが必須であり、自宅などでの「普通充電」に加えて高速道路のSA/PAなどでの「急速充電」設備が必要となるからだ。
このうち「普通充電」については戸建てなら数万円程度で設置でき、集合住宅でも初期費用無料で充電設備を設置する事業者が登場しており、東京都など一部の自治体では新築物件に設置を義務付けるなど解決が見えている。
一方で、高速道路の「急速充電」には出力150kW以上の「超」急速充電器の設置が必須だが、国内ではSA/PAに設置されている充電器の大半が出力50kW以下と速度が遅い。
出力150kWの充電器なら30分の充電で300km以上走れるが、出力50kWの充電器では100km程度しか走れず、休憩時間だけで充電が完了せずに利便性が大きく低下する。また、ほとんどのSA/PAでは1か所に1~2基しか設置されておらず、すでに他のEVが充電している場合は待ち時間が発生する可能性がある。
例えばEVが急増している欧州に目を向けると、全体で約33万基の充電器があり、その3%(約1万基)程度が出力100kW以上だとしている。さらに出力350kW程度の「超」急速充電器も一定間隔で配置され、車両側が対応していれば5分で200km以上、20~30分間で8割以上の充電が可能となっている。
さらに充電器大手のABBと石油大手のShellは、2023年5月までにドイツ全土に200基以上の360kW充電器を設置するといい、政府だけでなく民間企業も含めて将来的な目標を明示している。
このような「超」急速充電器が整わない限り、EVが普及することは難しく、日本でEVが普及するタイミングは今後の充電インフラの整備状況にかかっているだろう。