鉄道・高速バスともに貧弱 交通アクセス微妙な「ウーブン・シティ」が成功するためには一体何が必要か

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トヨタの豊田章男社長が発表して以降、着々と計画が進んでいる実験都市「ウーブン・シティ」。人口2000人規模の実験都市で、静岡県裾野市は経済効果に期待を寄せている。最寄り駅のロータリーを駅前交通広場として整備する計画もある。

新都市のもたらす経済効果

ウーブン・シティ(画像:トヨタ自動車)
ウーブン・シティ(画像:トヨタ自動車)

 2020年1月にラスベガスで開催された世界最大級の家電・技術見本市「CES 2020」で、トヨタの豊田章男社長が発表して以降、着々と計画が進んでいるのが人口2000人規模の実験都市「Woven City(ウーブン・シティ)」だ。

 これを受け、都市が建設されているトヨタ東富士工場(同年12月閉鎖)跡地のある静岡県裾野市は経済効果に期待を寄せている。

 ウーブン・シティの計画が発表されると、裾野市は歓喜に湧いた。2020年4月には裾野市役所の企画政策課が「みらい政策課」に名称を変更。市長をトップとする「みらい都市推進本部」も発足した。

 建設地周辺では土地の値上がりを期待する声もあり、海外からの視察に備えてホテルなどの宿泊施設を求める声も高まっている。裾野市を含む静岡県東部は人口減少が進み地価も下落していたが、ウーブン・シティによって、それらが解消されるのではないかと期待されている。

 実際、裾野市は既に豊かになっている。2021年度の企業版ふるさと納税によると、裾野市への寄付額は17億円で、2位の福岡市(12億円)を引き離して、全国トップとなっている。このようなことから、日本を代表する企業が手がける実験への期待は、確かに高まっている。

すぐ西側に東名高速道路・裾野インター

ウーブン・シティの位置(画像:(C)Google)
ウーブン・シティの位置(画像:(C)Google)

 そこで気になるのが、ウーブン・シティへの交通アクセスだ。新都市内部のインフラについては当サイトでも扱っている。では、都市の周囲はどうか。

 ウーブン・シティのすぐ西側には東名高速道路の裾野インターがある。最寄りの鉄道駅は、川を渡って1kmほど離れたJR御殿場線の岩波駅だ。裾野インターの存在は、工場であれば製品出荷に絶好の存在。

 対して多くの人が利用する鉄道駅はどうか。御殿場線は単線のローカル線で、沼津方面と国府津方面にそれぞれ毎時2本程度が走っている。終電は沼津方面が22時53分、国府津方面は国府津までが22時13分、その後23時39分の御殿場止まりが最終となっている。