ホワイトカラーには分かるまい! 「尿意と戦うドライバー」の過酷な日常、6割超が直面する「停車できない現場」というリアル
先日発覚した「食品輸送用の箱に排尿していた」とされる問題をきっかけに、トラックドライバーの排尿環境をめぐる課題が改めて注目されている。この問題を複雑にしているのは、個人のモラルの問題と、長時間労働や休憩インフラの不足といった社会構造的要因が重なっている点にある。
待機場所不足を招いた都市設計

トラックドライバーが最も負担に感じているのは、待機場所を見つけるのが難しいことだという。物流スタートアップのHacobu(東京都港区)が約1500人のドライバーを対象に行った「【2026年】トラックドライバー実態調査」の結果である。
調査では、61.7%のドライバーがこの点を挙げており、次に多い「給与が労働に見合わない」(53.8%)を7.9ポイント上回っている。3位は「休憩・トイレなどの環境が悪い」(36.3%)となっている。考えてみれば、飛行機、船、鉄道、バスといった主な輸送手段のうち、客や荷の積み下ろしを主に路上で行うのはトラックとタクシーだけである。
タクシーは停車時間が数分程度で済むが、トラックはそうはいかない。しかし日本の法令では、長い間、トラック輸送のための積み下ろし場所の整備が十分に求められてこなかった。その結果、路上での積み下ろしが広がった。
同じように、トラックを止めてトイレや食事、休憩を取る場所も限られている。筆者がドライバーだった当時は、担当エリアの中でトラックを止められるコンビニや飲食店を細かく覚えていた。日によって2tトラックと4tトラックを乗り換えていたため、車の大きさに合わせて駐車できる場所を把握しておく必要があった。これは体調の面でも影響が大きく、現実的に重要な問題だった。
細かい事情は省くが、職業ドライバーには法令で一定時間ごとの休憩が義務づけられている。また、時間指定のある集配先に入る前に待機時間が発生することもあり、その際にも安全に停車できる場所が必要になる。しかし、そうした場所は数が限られており、すでに先に来たトラックで埋まっていることも多い。そのため、6割を超えるドライバーが待機場所を見つけるのが難しいと答えているのである。