「現場の善意はもう限界だ」――猛暑・燃料高・中東情勢で露呈した、平時前提の物流の脆さ

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猛暑・燃料高・人手不足・時間外規制が同時進行し、物流は「現場の無理」で支える構造が限界に到達。軽油1円=約167億円の負担や荷待ち1時間34分が示す通り、供給網は静かに機能不全へ向かう。

持続可能な供給網への覚悟

物流イメージ(画像:写真AC)
物流イメージ(画像:写真AC)

 物流の滞りは、災害だけで片付けられるものではない。これまで現場が懸命に保ってきた蓄えが、あらゆる面から一斉に削り取られているのが実情だ。前述の、軽油価格が1円上がることにともなう業界全体の167億円の負担や、1時間34分に及ぶ荷待ち時間といった数字の重みに加え、猛暑や働く時間の決まりが重なり、かつて人知れず処理されていた不備が表に現れた。

 物流を止めているのは、限界を迎えていた仕組みそのものだ。身を削ることで成り立っていた質の高いサービスは、もはや行き止まりに達した。私たちはこれから、限られた働き手や時間という大切な資源を、社会のどの部分へ優先的に振り向けるかという難しい課題に向き合わなければならない。

 いつでも、安く、どこへでも届く。これまでの当たり前を守り続けることは、もはや難しい。物流が社会の土台として生き残り続けるためには、かつての無理を認め、今の現実に合わせた新しい運び方を受け入れる覚悟が必要だ。人や時間を際限なく使えるという考えを捨てたとき、はじめて長く続く供給網への道が開けるだろう。

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