中国4社が「上位10」を占める衝撃――BYD首位&イノベ評価47%、揺らぐドイツ勢と再起動する欧州勢
EVとHVが交錯する自動車市場で、中国BYDがイノベーションランキング首位を獲得。国別シェア約47%に達し、ドイツ勢の牙城が揺らぐ中、主導権は電動化とソフト領域へ急速に移行している。
IT体験を重視する消費者嗜好

こうした力の差は、市場で車を選ぶ人たちの目にはっきりとした違いとなって映っている。中国では、最先端の機能をふんだんに盛り込んだ自国ブランドを選ぶ動きが若者の間で当たり前になった。それとは対照的に、ドイツ勢を支えているのは高い年齢層ばかりという図式が鮮明になっている。
かつて名門と呼ばれた車が大切にしてきた伝統は、画面越しの世界に慣れた世代には、ただの使い勝手の悪さや古臭さとしか映らないのかもしれない。高級な車に求める価値が、手触りや質感から、移動時間をどう楽しく過ごせるかという体験へと大きく入れ替わっている。
長く市場の頂点に座り続けてきたVWが、2024年にBYDに抜かれ、翌2025年には吉利の後塵を拝して3位にまで順位を下げた。過去の成功を支えてきたはずの、細部まで作り込む品質の基準が、今の市場ではかえって動きの鈍さを招き、力を削ぐ原因になっている。VWのロバート・チセック氏が振り返るように、昔はカタログを眺めて夢を見るだけで満足していた人たちも、今は車を生活を便利にする移動可能な情報拠点として厳しく品定めしている。
S&Pグローバルモビリティの数字を見ると、ドイツ勢の売れ行きはここ5年で4分の1も減り、2025年には390万台まで落ち込んだ。かつての武器だった高性能なエンジンの輝きが、電動化の激流のなかで、もはや儲けを生み出す源泉ではなくなったことを物語る数字だ。
さらに中国勢は高級車市場にも深く入り込み、富裕層の関心を格式の高さから使い勝手の良さへと塗り替えている。ブランドへの思い入れが世代によって真っ二つにわかれてしまったことは、これまでの商売の形を守る上で、大きな痛手となるだろう。