「ANAだと思って乗ったのに」わずか2年で消えた新ブランドの教訓――LCC再編とブランド戦略の課題とは

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2024年に運航を始めたエアージャパンがわずか2年で終了した背景を軸に、機材調達の難しさやブランド設計の課題、LCCとフルサービスの境目が薄れる世界的な流れ、さらに航空業界の次の競争軸が機材開発へ移りつつある現状を、国内外の事例とともに追う。ユナイテッド航空CEOの発言やサウスウエスト航空の変化、ZIPAIRや新興機体メーカーの動きも交え、業界転換の全体像を描く。

運航会社表示のわかりにくさ

筆者が当日撮影した様子(画像:前林広樹)
筆者が当日撮影した様子(画像:前林広樹)

 さらに、エアージャパンという会社がLCCの名前を別に立てて運航すること自体にもわかりにくさがある。同社はANAの運航子会社であり、主に東南アジア路線を担う会社でもある。今後もANAブランドの路線を運航する会社として存続する見通しだ。このような仕組みは利用者から見るとわかりにくく、ネット上でも疑問の声が見られた。

 例として、ある有名なグルメブロガーは、2024年6月にエアージャパンが関わるANA便を利用した際、運航社がエアージャパンに変更との案内を見て、なぜフルサービスの航空会社からLCCに変わるのか――と疑問を持ったと自身のブログに書いている。

 搭乗後にはANAの機材とサービスであることは確認できたが、普段と変わらない内容であれば、乗客を不安にさせるような案内は控えたほうがよいとも指摘している。

 エアージャパンという名前でANAが新しいLCCを立ち上げた事情を知っていれば、このような疑問が出るのも不自然ではない。航空や旅行に関心がある人ほど、かえってわかりにくさを感じやすい状況になっていたといえる。

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