「ANAだと思って乗ったのに」わずか2年で消えた新ブランドの教訓――LCC再編とブランド戦略の課題とは
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2024年に運航を始めたエアージャパンがわずか2年で終了した背景を軸に、機材調達の難しさやブランド設計の課題、LCCとフルサービスの境目が薄れる世界的な流れ、さらに航空業界の次の競争軸が機材開発へ移りつつある現状を、国内外の事例とともに追う。ユナイテッド航空CEOの発言やサウスウエスト航空の変化、ZIPAIRや新興機体メーカーの動きも交え、業界転換の全体像を描く。
航空機開発の新興勢力

LCCという仕組みが登場してから半世紀ほどが過ぎた。サービス面では仕組みが広く整い、これまでのような新しい工夫を生み出すことは難しくなっている。そのため今後の航空分野での変化は、サービスではなく
「機材そのもの」
から生まれる可能性がある。実際、既存の航空機メーカーでは開発に時間がかかるようになっており、高速化や電動化といった新しい機体の実用化には十分に応え切れていない面がある。
そこで注目されているのが、機体開発を行う新興企業である。米国では超音速機を開発するBoom Technologies(ブーム・テクノロジーズ)や、電動旅客機を手がけるWright Electric(ライト・エレクトリック)などが存在感を強めている。日本でも、堀江貴文氏がLSA(ひとり~ふたり乗りの軽量機)の製造を目的にトキエアへの出資を決めるなど、新しい航空機への関心が広がっている。
今後、航空会社の新しい取り組みがどの分野から生まれるのかは見通しが立ちにくい。ひとりの利用者として、また航空ライターとして、その動きを追っていきたい。