トラック業界を直撃する「ディーゼル燃料危機」――もはや「乗用車の給油」を制限すべきか?――月額560万円の負担が浮き彫りにする限界点
運送会社に対する燃料の供給抑制が発生している。このままでは、いずれ物流そのものが滞りかねない。将来的な地政学リスクよりも、いま私たちの日常を直接脅かしているのは、石油販売各社の供給姿勢だといわざるを得ない。
サーチャージ未導入の壁

今回、影響を受けている運送会社側にも、課題がないわけではない。燃料サーチャージを導入していれば、経営への影響はある程度抑えられる。
原油価格の変動に対して、燃料サーチャージが有効であることは広く認められている。しかし、荷主の理解が得られない、あるいは計算や請求の手間が増えるといった理由から、導入している運送会社は2割ほどにとどまるという調査もある(東京都トラック運送事業協同組合連合会「第43回 運賃動向に関するアンケート調査結果」)。
毎年のように原油高による燃料費の上昇が問題となり、そのたびに対応に追われる状況を見れば、法令で燃料サーチャージを義務づけるべきではないかとの見方も出てくる。短期的には荷主と運送会社の双方に負担が生じるが、長い目で見れば、物流を支える業界の安定につながる可能性がある。
ウクライナでの戦闘やイランと米国の衝突など、海外の動きが日常に影響を及ぼす場面は増えており、その影響も大きくなっている。トラック輸送が立ち行かなくなれば、私たちの暮らしも成り立たなくなる。この現実は、より多くの人に共有されるべきであり、政府には場当たり的ではない対策が求められる。