トラック業界を直撃する「ディーゼル燃料危機」――もはや「乗用車の給油」を制限すべきか?――月額560万円の負担が浮き彫りにする限界点

キーワード :
, ,
運送会社に対する燃料の供給抑制が発生している。このままでは、いずれ物流そのものが滞りかねない。将来的な地政学リスクよりも、いま私たちの日常を直接脅かしているのは、石油販売各社の供給姿勢だといわざるを得ない。

燃料配分の優先順位

物流トラック(画像:写真AC)
物流トラック(画像:写真AC)

 今後、ホルムズ海峡の封鎖が長引き、燃料不足が現実のものとなれば、乗用車への供給を抑えてでも、運送会社や貨物軽自動車運送事業者(軽バン配達員)への供給を優先すべきである。この措置が取られれば、とりわけディーゼル車の利用者への影響は大きい。都市部以外では、

「クルマがないと仕事にも買い物にも行けない」
「両親の介護や通院のために、クルマは必須だ」

といった事情を抱える人も少なくない。それでも、トラック輸送が止まれば、製造業は原材料を確保できず、製品も出荷できなくなる。店に行っても品物は並ばず、病院に行っても薬や医療資材が足りず、十分な治療を受けられない事態も起こり得る。

 いわゆる「令和の米騒動」のときと同様に、政府の対応は後手に回っている。イランと米国の衝突が長引き、深刻な石油不足に至る可能性も否定できない。

 そうであれば、最悪の事態も見据え、社会の維持に欠かせない分野へ燃料を振り向けるための優先順位づけについて、政府は事前の検討に着手すべきである。

全てのコメントを見る