トラック業界を直撃する「ディーゼル燃料危機」――もはや「乗用車の給油」を制限すべきか?――月額560万円の負担が浮き彫りにする限界点

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運送会社に対する燃料の供給抑制が発生している。このままでは、いずれ物流そのものが滞りかねない。将来的な地政学リスクよりも、いま私たちの日常を直接脅かしているのは、石油販売各社の供給姿勢だといわざるを得ない。

物流途絶の現実

物流トラック(画像:写真AC)
物流トラック(画像:写真AC)

 2016(平成28)年の熊本地震の際、現地で暮らしていたある芸能人一家のSNS投稿が炎上した。

 この芸能人は、被災下の暮らしについて「食べ物が少なく、家族で喧嘩が頻発するようになった」と書いた。これに対し、

「被災者だからといって、支援物資が届くのを待つのは怠慢だ」
「食べ物がなければ、スーパーやコンビニまで買い出しに行けば良い」

といった声が寄せられた。

 しかし震度7級の地震で道路が崩れた状況では、トラックも店までたどり着けない。燃料も不足しているはずであり、現地の運送会社で働く運転手もまた被災者である。

 私たちは、店に行けば品物が並んでいる状態に慣れている。だが、それが続くのは当たり前ではない。誰かが運んでいるからこそ、そこにある。

 日本で運ばれる貨物の91.7%はトラックによる(2023年度、重量ベース)。船や鉄道で運ぶ場合でも、港や貨物駅までの区間はトラックが担うため、輸送の流れのなかでトラックを使わない例はほとんどない。

 そのトラックを動かす燃料が確保できず、運送会社の経営も揺らいでいる。それは、私たちの日々の暮らしが、気づかぬうちに、しかし確かに揺らぎ始めていることを意味する。

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