トラック業界を直撃する「ディーゼル燃料危機」――もはや「乗用車の給油」を制限すべきか?――月額560万円の負担が浮き彫りにする限界点
運送会社に対する燃料の供給抑制が発生している。このままでは、いずれ物流そのものが滞りかねない。将来的な地政学リスクよりも、いま私たちの日常を直接脅かしているのは、石油販売各社の供給姿勢だといわざるを得ない。
業界三団体の緊急集会

確かに、イランと米国の衝突でホルムズ海峡が封鎖され、燃料不足が深まっている国はある。例えばベトナムでは、航空燃料の確保が難しくなり、各航空会社が4月以降に一部路線の運休を決めている。
一方、日本では備蓄石油の放出もあり、現時点で深刻な混乱には至っていない。今後、国内で石油が不足する事態になったとしても、その配分を担うのは政府であるべきであり、燃料販売会社や元売りに委ねるべきではない。
そもそも、京都市バスの例に見られるように、価格を上げれば売る、あるいはガソリンスタンドでの販売価格がインタンクの大量調達価格を下回るといった状況は、国際情勢に乗じた利幅の拡大と受け取られても仕方がない。
2026年3月27日、全日本トラック協会、全国ハイヤー・タクシー連合会、日本バス協会は合同で「燃料価格高騰等経営危機突破総決起大会」を緊急に開いた。
冒頭であいさつに立った全日本トラック協会の坂本克己最高顧問は、法人向け軽油の販売価格を巡るカルテルの疑いについて、公正取引委員会が石油製品販売会社8社に対し、独占禁止法違反の疑いで立ち入り検査を行った件(2025年9月10日)に触れた。また大会の決議では、各地で運送会社やバス会社に対し、軽油の販売停止や数量制限が起きていると指摘し、
「不透明な価格決定による急激な燃料価格高騰が生じている」
とした。そのうえで、軽油を安定して確保できる環境づくり、軽油やLPガスへの補助の継続、運賃への転嫁や燃料サーチャージの周知に加え、軽油価格を巡るカルテルの実態解明を強く求めている。
こうした状況では、石油元売りや燃料販売会社に対し、再び問題が起きているのではないかと疑いの目が向くのも無理はない。