「オッサンが軽自動車に乗ってたら恥ずかしいですか?」 20~30代女性の4割が示した“拒絶”と、実利を重んじる価値観の地殻変動
恥とされる感覚の背景

「オッサンが軽自動車に乗るのは、世間的に恥ずかしいことだろうか?」という問いは、今もなお成り立ってしまうのか。その背景には、国が定める優遇の枠組みと、実際の購買力との間に生じている埋めがたいズレがある。
「軽自動車は生活に余裕がない人の乗り物だ」
という昭和の価値観は、社会の隅々に残っている。それは現代の若い世代においても、形を変えて存在しているようだ。
合同会社アント(富山県射水市)が2024年7月に実施した「モテる男性の車」に関する調査(20代~30代の独身女性1005人対象)によると、
「男性に乗ってほしくない車」
のボディタイプとして「軽自動車(38.8%)」を挙げた人が最も多かった。次いで「オープンカー(31.1%)」「スポーツカー(26.1%)」と続いており、派手で目立ちすぎる車が敬遠される一方で、軽自動車に対しては依然として「男性には乗ってほしくない」というシビアな視線が注がれていることがわかる。
こうした古い意識は、自分自身の社会的な立ち位置への不安が裏返り、立場の弱い相手への礼を欠く振る舞いとして現れることもある、というコメントもある。
いまや軽自動車の装備は普通車なみに充実しており、価格が200万円を超えることも珍しくない。中古の高級車よりも高い値で取引されることさえあるのが現実だ。
「200万円を超える軽が当たり前になった今、車の種類で優劣を語るのは一部の中年層だけではないか」
というコメントがあるとおり、外見だけで持ち主の経済力を測ることは、もはや不可能に近い。車で人を区分する物差しが使い物にならなくなる一方で、税の仕組みだけは排気量という古い基準に縛られたままだ。
中身の進化や価格の向上が税負担に反映されないこの歪みこそが、古い序列意識と現代の実利との間にある摩擦を生み出しているのだろう。