「オッサンが軽自動車に乗ってたら恥ずかしいですか?」 20~30代女性の4割が示した“拒絶”と、実利を重んじる価値観の地殻変動

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軽自動車は2025年に約3190万台と国内保有の4割に迫る一方、税制や安全評価は旧来基準にとどまる。電動化と所有観の変化が進む中、「恥」の感覚は合理性の議論へと姿を変えつつある。

軽自動車の保有拡大

軽自動車全体の保有台数(画像:全国軽自動車協会)
軽自動車全体の保有台数(画像:全国軽自動車協会)

 日本の道路において、軽自動車はもはや「普通車の代わり」ではない。事実上の国民車として、その存在感を不動のものにしている。1966(昭和41)年には約223万台だった軽自動車全体の保有台数は、2016(平成28)年に3000万台を突破。2025年3月末時点では、

「約3190万台」

にまで達した。半世紀あまりで約14倍に膨れ上がったという数字は、日本の道路幅や駐車スペースそのものが、この車格を前提に形作られてきた歴史を物語っている。現場を知るある経営者は、

「下町を走るならこれが一番楽なんよ」

とコメントしている。その言葉どおり、実用面での評価は極めて高い。いまや保有台数は全体の約4割に迫り、地方や都市近郊では、日々の暮らしを回すための欠かせない道具となった。

「生活環境がそれで事足りるなら、大きな車に乗る必要はない」

というコメントが象徴するように、生活の土台として深く受け入れられているのが現状だ。

 全長3.4m、全幅1.48m、排気量660cc以下。この厳しい制約のなかで、日本のものづくりは車内空間の効率を極限まで高めてきた。海外市場をあえて追わない独自の歩みは、結果として国内の小型車枠を席巻することになる。

 住宅の敷地の使い方から都市のあり方に至るまで、社会の多くの場面がこの規格に沿うように整えられてきた。もはや乗り物ではなく、人々の行動や社会の仕組みそのものを規定する前提として、私たちの生活に根を張っている。

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