「立件されるとは思わなかった?」 電動キックボード初の書類送検、規制緩和は本当に間違いだったのか?――関連事故280件で考える

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都市で広がる電動キックボード。免許不要の制度は市場を生んだ一方、事故280件・違反関与約9割という現実も突きつけた。さらに講習を拒み続けた利用者が全国初の書類送検。利便と安全、その負担は誰が担うのか――制度の評価が割れる理由を追う。

評価のわかれ目

電動キックボード(画像:写真AC)
電動キックボード(画像:写真AC)

 この制度をどう評価するかは、社会がどの価値を重く見るかで変わる。

 交通事故を抑えることを最優先に考えるなら、いまの免許不要というルールは見直すべきだという声が強くなる。実際、全280件の事故のうち、出会い頭の衝突や車両単独事故が84件起きている。こうした状況を重く見れば、利用者の技能をある程度確かめる仕組みを求めるのは自然な流れだろう。

 一方、この乗り物を

「将来の都市交通の土台」

として見るなら、別の見方も成り立つ。車両がネットにつながり、移動データを継続的に集めるようになれば、都市の動きをより効率よくする可能性がある。自動制御などの技術が進み、事故の危険を大きく下げられる段階に至れば、いま安全面を懸念する人たちの不安もやわらぐはずだ。

 都市の空間は限られている。そのなかで移動の手段をどう配分するかという視点に立てば、この制度が生み出す価値は、いま見えている範囲より大きくなる可能性もある。

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