「8回以上の督促」さえ拒否―― 電動キックボードで全国初の書類送検、“免許不要制度”の構造的欠陥とは
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都市で急増する電動キックボードの多くは、免許不要の「特定小型原動機付自転車」。制度開始から約2年、警視庁は講習命令を拒否した男性を全国初めて書類送検した。事故は2025年に280件、9割に違反が絡む。利便性を優先した新モビリティは、統治コストという新たな課題を突きつけている。
講習拒否の初立件

都市の歩道や車道で急速に普及した電動キックボードの多くは、道路交通法上の特定小型原動機付自転車という車両区分に含まれる。2023年7月に始まったこの制度は、導入から2年余りが経過し、仕組みの至らなさが表面化している。
警視庁は2026年3月4日、危険な運転を重ねた末に義務づけられた講習を拒んだとして、29歳の男性を書類送検した。受講命令に従わずに立件された事例は全国で初めてだ。
このニュースの核心は個人の違反行為という事実を超えたところにある。免許を必要としないルールを前提とした新しい交通の形が、
「管理の面で深刻な穴を抱えている」
実態を突きつけている。目先の違反を追うことよりも、制度の根幹が今の社会のあり方に合っているかを厳しく見定める時期に来ている。
免許という個人の能力を証明する仕組みを介さずに市場が広がった結果、行政が監視や指導に費やす費用や労力が膨れ上がっている現状が浮き彫りになった――。