「タクシーの敵」はどこへ消えた? 新千歳空港の“一等地”に陣取る配車アプリ、世界が驚く「日本流」の生存戦略とは
日本のライドシェアは海外型とは異なり、従来タクシーの補完として進化してきた。北海道・新千歳空港では1月15日から、DiDi、Uber、GOが参加する3か所の「配車アプリのりば」実証実験が開始され、ターミナルから歩く距離を最小化し、利便性向上とタクシー不足の緩和を同時に狙う。
日本のライドシェアがたどった独自の道

タクシーやライドシェアの配車アプリは、日本でも徐々に存在感を強めつつある。ただ、日本のライドシェアは海外のサービスとは大きく異なる道を歩んでいる。営業免許を持たないドライバーが自家用車で客を運ぶ、いわゆる国際的なライドシェアの形は、日本ではほとんど成立していない。規制は多岐にわたり、結果として、ライドシェアは「従来型タクシーの補完」という位置付けに収まった。
タクシーの供給が不足する時間帯や地域でのみ補助的に運用される。あるいは、タクシーがもともと存在しない地方の高齢者の移動を支えるために導入される。こうして、日本のライドシェアは特異な進化を遂げた。
国際基準のライドシェアがないことは、利用者にとって明確な制約でもある。価格競争による運賃の低下は起こりにくく、タクシーと同じ機能を持ちながら、それより安い移動手段を選べる場面はほとんどない。ただ、その制約が裏返しに生む利点もある。日本のライドシェアはタクシーという既存の枠組みに含まれる形を取ったため、アプリを使うことで差別的に扱われることが少ないのだ。
その現れのひとつが、北海道・新千歳空港で1月15日から始まった「配車アプリのりば」の実証実験である。従来のタクシー乗り場のすぐ横に設置され、利用者はアプリを通してスムーズに車を呼べる。この取り組みは、アプリを介した移動が既存の交通サービスの中で自然に機能する可能性を示している。日本のライドシェアは、規制に縛られつつも、利用者の利便性に寄り添う形で形を整え始めているのだ。