なぜ「認定中古車」は消費者に知られていないのか? 理解度「3割以下」という衝撃、「名前は聞いたことあるけど……」 を考える

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認定中古車の認知は31.8%、だが中身を理解する層は購入経験者でも35.8%にとどまる。価格差を「損」と感じた瞬間に思考は止まる。なぜ保証という価値は伝わらないのか。1,036人調査から、中古車市場の心理的盲点を解く。

現状維持への固執

 中古車選びの世界では、長らく「いくらか」という一点に価値の基準が置かれてきた。ネットの検索サイトを覗けば、年式や走行距離、そして価格が横に並ぶ。これらを眺めているうちに、私たちの頭には「高いか安いか」という単純な物差しが、いつの間にか出来上がってしまう。

 認定中古車という存在は、この分かりやすい基準をかき乱してしまう。値段は張るが保証が手厚い、整備は行き届いているが数は少ない。そうした複数の要素を一度に天秤にかけようとすると、途端に判断は難しくなる。そもそも、人は頭を使い続けることを好まない。これまで通りの慣れ親しんだ物差しで選ぶほうが、ずっと楽だからだ。

 検索サイトの作りに、特定の選び方へと誘導されている面も無視できないだろう。価格や距離で機械的に並べ替える習慣が身についたことで、整備の記録や部品の状態といった込み入った情報は、いつの間にか「余計なもの」として視界から消えていく。

 結局のところ、「値段が高い車」という印象だけが残り、その中身にまで目が届かなくなる。中身が分からないというより、理解しようとすること自体を投げ出してしまうのだ。調査で「名前は知っているが、中身はよく知らない」と答えた人が半数を超えた事実は、こうした心理的な行き止まりをそのまま映し出している。

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