「もう時代遅れです」 なぜ物流の最前線は“デジタコ”を嫌うのか? 装着率85%を目指す国と、現場に広がる妥協

キーワード :
,
トラックの8割に導入済みのデジタコ。法令順守を前提とするが、停車や荷役の詳細な記録は困難で、配達管理アプリの導入が進む。2027年には装着率85%目標のデジタコも、物流現場の実態に十分応えられていない現状が浮き彫りとなる。

配達管理アプリの導入

物流トラック(画像:写真AC)
物流トラック(画像:写真AC)

 ここで問題となるのは、輸送効率の向上を真剣に目指す荷主や運送会社である。改善の基本はステイタス記録を正確に把握し、「荷待ち時間をどれだけ短縮できたか」などを分析することだが、デジタコには限界がある。

 巨大なオフィスビルや商業施設、駅などの複合施設では、1回の停車で複数の荷主の積み卸しを行うことがある。本来なら、すべての荷主について「待機」「荷役」などのタイムスタンプを記録したいところだが、デジタコでステイタス記録を行おうとすると、いちいちトラックに戻らなければならない(デジタコはトラックに固定されており持ち運べない)。

 このような配送では、貨物を台車に載せ、ドライバーが徒歩で複数の荷主を回ることになる。手元でステイタス記録を行えないと、正確な記録は残せないのだ。

 そこで注目されるのが、業務用スマートフォンやハンディターミナル(HHT)にインストールできる配達管理アプリである。配達管理アプリでは、集荷先や配送先の名称や住所、貨物情報を確認したうえでステイタス記録を行える。さらに、バーコードなどの読み取りによる検品機能や、受領サインの記録に対応したアプリもある。動態管理機能が付いたアプリであれば、集荷・配送先の「半径◯km」に入った時点や到着時点で着車を自動記録したり、荷主に通知を送信するジオフェンス機能も搭載されている。また、検品機能を備えたアプリは、検品の開始・終了時刻を荷役として自動記録することも可能である。

 さらに、「走行状態」と「停車状態」を含め、運転日報に必要なすべてのステイタス記録に対応し、運転日報を出力できるアプリも存在する。

 数万円するデジタコに比べ、配達管理アプリは月額数百円で利用できるものもあり、費用もはるかに安い。それでいて性能や使い勝手が優れていれば、前述の「1回の停車で複数荷主の積み卸しを行う」ケースに限らず、デジタコより配達管理アプリを重視する事業者が増えているのも自然な流れである。

全てのコメントを見る