モバイルバッテリー「4月からは充電できません」 機内発火リスクに法が介入、「LCC淘汰」の引き金となるのか?
航空機内のモバイルバッテリー発火事故が相次ぎ、韓国・日本でも法規制を強化。ひとり2個までの制限や機内使用禁止で、航空業界の安全体制と収益構造に大きな再編リスクが生じる。
LCC対応策

格安航空会社(LCC)がどのような対応を取るかも注目される。レガシーキャリアと異なり、LCCの客室には充電ポートがない場合が多い。その理由は、モバイルバッテリーの有料貸し出しで収益を得ていたからだ。しかし、今後はこのオプションも展開できなくなる見通しだ。結果として、LCCも客室への充電ポート設置を検討せざるを得ない状況に置かれる。
1g単位で燃費を追求するLCCにとって、全席への配線や電力供給基盤の整備は、
・機体重量の増加
・巨額の投資
をともなう厳しい課題だ。従来の収益源であるバッテリー貸し出しが法的に封じられた今、LCCは
・多額の資金を投じてフルサービスキャリアと同じ土俵に立つか
・充電不可という制約を前提に低価格層に特化するか
という、ふたつの選択を迫られる。
USB-AとUSB-Cの規格が混在するなか、機体更新費用を捻出できない中堅LCCは、この法改正を契機に長距離路線からの撤退を余儀なくされるかもしれない。各国の航空会社がモバイルバッテリーに代わる充電方法を模索する現状は、4月のルール改正が空の安全を確保するだけでなく、航空業界の勢力図を塗り替える経済的な選別の号令となることを示しているのだ。