「現金派」は置き去りなのか? 「ETC専用化」で高速道路に広がる“勝ち組と負け組”

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2026年2月時点で90%を超えたETC普及率。高速道路の料金所は物理的停止から解放され、都市の交通網はデジタル管理へ移行した。しかし利便性の裏で、非ETC利用者は物理的・制度的に排除されつつある現実がある。

首都高永福料金所が消える意味

料金所が撤廃となる永福本線料金所近くにある首都高永福ランプ入口(画像:写真AC)
料金所が撤廃となる永福本線料金所近くにある首都高永福ランプ入口(画像:写真AC)

 首都高4号新宿線の上り線にある永福本線料金所の撤廃方針は、ETC専用化がもたらす物理的な変化をはっきりと示している。

 平日の午前中を中心に高井戸ランプから初台ランプにかけて発生する激しい渋滞の理由は、永福料金所付近の構造にある。勾配のある上り坂に位置する料金所は、通過車両に制動を強いることで運動エネルギーを失わせ、後続車両への連鎖的な減速を招いていた。さらに、料金所の直後で永福ランプからの流入が重なることで、交通流の交差が極限に達し、ボトルネックが固定化されていた。

 撤去で排除されるのは、走行車両に減速を強いる理由そのものだ。これにより交通流の速度が引き上げられ、都市の動脈としての処理能力が最大限に発揮される。

 非ETC車両への対応策として、永福パーキングエリア(PA)に隣接する左側のブースを残し、右側の本線ブースのみを撤廃する方針が示されている。これは、特定の利用者に対してのみPAを経由させるという物理的な迂回を強いることで、本線の高効率な流れから低効率な要素を分ける空間的な選別を意味する。

 近年の車線増設や運用改善で、高速道路を止めないことの価値は著しく高まった。永福における変化は、かつて当たり前だった一時停止という行為をインフラから完全に排除し、すべての車両が一定の速度で移動し続けることを前提とした運用への移行を決めているのだ。

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