「10年後、EVは主流になる!」と考える人が8割――それでも「今は買わない」が正解? 日本市場を阻む「期待と諦め」の二重構造

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10年後の主流化に79%が同意する一方、直近の購入意向はわずか18%――。最新調査が暴いたのは、日本市場を阻む「期待と諦め」の二重構造だ。6割超が絶望するインフラ不足が最大の壁となり、消費者は資産価値の下落を恐れ「戦略的待機」を決め込む。EVシフトは今、社会実装の成否を問う最終審判の時を迎えている。

調査が示した「合意」と「停滞」

EV(画像:写真AC)
EV(画像:写真AC)

 世界の市場調査リポートを提供するレポートオーシャン(東京都中央区、本社米国イリノイ州)が実施した全国調査(2026年1月12日~2月6日、回答者1100人)によると、日本の電気自動車(EV)市場は特異な状況にある。今後10年以内にEVが主流になると考える人は79%(「そう思う」「たぶんそう思う」)に達し、そのうち45%は確実に主流化すると見ている。しかし、1年以内の購入を検討している人はわずか18%にとどまった。

 将来はEVが主流になると認めながらも、実際に購入する人は少ない。この差は、消費者が今のEVに生活上の十分な価値を見出していないことを示す。日本の消費者は未来の到来を理解しているが、今の時点で買うことには慎重だ。調査の詳細は以下のとおりである。

●Q1.EV購入意向について
・1年以内に購入を検討:18%
・3年以内に購入を検討:27%
・検討中だが未定:17%
・現時点では検討していない:38%

●Q2.希望する電動車タイプ
・ハイブリッド電気自動車(HV):41%
・バッテリー電気自動車(BEV):29%
・プラグインハイブリッド(PHV):18%
・燃料電池電気自動車(FCEV):7%
・分からない:5%

●Q3.EVを選ぶ主な理由
・政府の補助金・優遇制度:58%
・環境意識:52%
・ランニングコスト削減:49%
・新技術への関心:37%
・静かな走行性能:28%

●Q4.EV導入における最大の課題
・充電インフラ不足:61%
・航続距離への不安:46%
・車両価格:42%
・バッテリー寿命:33%
・充電時間:35%

●Q5.希望する充電場所
・自宅充電:43%
・公共充電ステーション:31%
・職場での充電:17%
・急速充電ネットワーク:9%

●Q6.政府補助金の認知度
・よく知っている:29%
・ある程度知っている:41%
・聞いたことはあるが不明確:21%
・知らない:9%

●Q7.補助金が購入判断に与える影響
・強く影響する:36%
・ある程度影響する:44%
・あまり影響しない:15%
・影響しない:5%

●Q8.EVとして選びたい車種カテゴリー(将来的に選びたいカテゴリー)
・乗用車:48%
・二輪EV:27%
・SUV:15%
・商用車:10%

●Q9.日本の充電インフラ評価
・十分:12%
・やや十分:26%
・不十分:43%
・非常に不十分:19%

●Q10.EVの将来性に対する見方(今後10年以内にEVが主流になると思うかについて)
・そう思う:45%
・たぶんそう思う:34%
・分からない:17%
・そう思わない:4%

主流化への確信が強いのに購入が進まない背景には、技術進化に対する警戒があるだろう。今EVを買うと、数年後に性能が古くなって資産価値が下がるリスクがある――45%に達する主流化の確信は、製品への期待というより、技術が成熟して環境が整うまで今の車を使い続けようという判断と考えられる。

 消費者は市場の変化を見抜いて、生活のリスクを減らすために今は動かない選択をしているのだ。

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