「10年後、EVは主流になる!」と考える人が8割――それでも「今は買わない」が正解? 日本市場を阻む「期待と諦め」の二重構造
10年後の主流化に79%が同意する一方、直近の購入意向はわずか18%――。最新調査が暴いたのは、日本市場を阻む「期待と諦め」の二重構造だ。6割超が絶望するインフラ不足が最大の壁となり、消費者は資産価値の下落を恐れ「戦略的待機」を決め込む。EVシフトは今、社会実装の成否を問う最終審判の時を迎えている。
日本市場を縛る構造的要因

日本国内でEV普及を阻む要因は、住宅形態、既存技術の成熟度、人口動態という三つの層によって強く結びついている。
まず、都市部における集合住宅比率の高さが給電環境整備を物理的限界へと押し上げている。自宅での給電を希望する層が43%に達するが、分譲マンションなどの共同住宅では、管理組合の合意形成や受変電設備の容量制約といった不動産管理上の制約が立ちはだかる。設置費用や受益者負担の公平性を巡る議論は、個人の意志では解決できず長期の停滞を招く。
次に、日本市場で成熟を極めたHVの存在だ。燃費性能、販売価格、売却時の価値の安定性においてHVは利用者の要求を十分に満たしており、利便性を犠牲にしてEVへ移行する動機を奪っている。
最後に、地方分散型の人口構造が急速給電網の採算性を悪化させている。長距離走行が前提になる地方部では、利用者密度が低く、拠点維持の経済的合理性が成立しにくい。