「10年後、EVは主流になる!」と考える人が8割――それでも「今は買わない」が正解? 日本市場を阻む「期待と諦め」の二重構造
10年後の主流化に79%が同意する一方、直近の購入意向はわずか18%――。最新調査が暴いたのは、日本市場を阻む「期待と諦め」の二重構造だ。6割超が絶望するインフラ不足が最大の壁となり、消費者は資産価値の下落を恐れ「戦略的待機」を決め込む。EVシフトは今、社会実装の成否を問う最終審判の時を迎えている。
インフラ不足が生む「待つしかない状態」

調査で最も注目すべき数字は、EV導入の最大の課題として「充電インフラの不足」を挙げた人が61%、現状の整備状況を「不十分・非常に不十分」と評価した人が62%で、ほぼ一致している点だ。この一致は、消費者の不安の原因が整備の遅れにあることを示している。
ここには明確な悪循環がある。充電環境への不安が購入の先送りを招き、車両が普及しないことでインフラへの投資回収の見通しが立たず、整備が遅れて消費者の不安が強まる。この連鎖は非常に強固で、外部からの強い介入がなければ状況は変わらない。
特筆すべきは、航続距離への不安が46%、車両価格の不安が42%なのに対し、インフラ不足が最上位の障壁になっている点だ。消費者は車両の技術進歩よりも、それを取り巻く運用環境の不備を深刻な問題だと考えている。加えて、希望する充電場所として自宅充電が43%を占めることは、公共の場での充電にともなう不確実性を避けたい気持ちの表れだろう。
ガソリン車の数分の給油に慣れた利用者にとって、急速充電に30分以上かかることは、生活効率を大きく損なう時間の負担になる。公共ステーションで先客がいる場合、待ち時間は予測できず、移動の自由を制限する。自宅に専用設備を設置できない集合住宅の居住者や都市部の住民は、この制約によりEVの恩恵を十分に受けられない。
誰も最初の一歩を踏み出さない状態が、日本市場全体を支配しているといえるだろう。