「スズキの牙城が瓦解する」関税110%→10%の衝撃――トランプ保護主義が生んだ“日米抜き”新経済圏、日本の現地化モデルどうなるのか

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インド市場で日本勢が築いた40年の牙城が揺らぐ。2026年1月、欧州車の関税が110%から10%へ引き下げられ、430万台市場で欧州勢の技術と価格競争力が急進。制度変更が現地生産モデルを圧迫し、日本メーカーは国際標準争いで孤立の危機に直面している。

トランプ政権が招いた亀裂

インド・モディ首相と面会したトランプ米大統領(画像:ホワイトハウス)
インド・モディ首相と面会したトランプ米大統領(画像:ホワイトハウス)

 フォン・デア・ライエン委員長が2026年1月27日に発表した声明は、世界最大の民主主義国家間の提携を深化させ、20億人を擁する自由貿易圏を作ることで双方が経済的利益を得る体制を整えたと、その成果を強調している(『日本経済新聞』2026年1月28日付)。

 一方、トランプ大統領の就任以来、米政府とインドの貿易交渉は停滞を続けている。トランプ氏はインドを厳しく批判し、2025年8月にはロシア産原油の大量購入を理由に、インドからの輸入品に対する関税率を相互関税を含めて50%に引き上げた。

 さらに同年9月、高度技術人材向けの就労ビザ「H-1B」の取得費用を最大10万ドルに引き上げる方針を示した。これは、過去30年間にわたり数百万人のインド人に成功の機会を与え、米国産業を支える人材を供給してきた経路を遮断することを意味する。

 米政府の保護主義的な政策に直面するインドとEUは、高度人材の移動と市場開放を相互に認め合う地政学的な交換条件によって今回の合意に至った。米国への過度な依存が経済成長や技術基盤を損なう事態を防ぐため、両者は経済ブロックの形成による安全保障上の防壁を築いた。

 この動きは、米国市場への道を閉ざされたインドのソフトウェア技術者が欧州メーカーの開発拠点へ流れる動きを加速させる。知的資源の供給源が米国から欧州・インド連合へ移行することで、高度な車両開発の主導権を巡る勢力図が激変し、米国を排除した自立的な供給網の基盤が固まる。

 これは日米が主導してきた既存の枠組みを揺るがし、供給網全体の力学を根底から変えるものだ。

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