国際的な連携――M&Aで再建する日本車業界【連載】Make Japanese Cars Great Again(8)
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サプライヤーとIT企業が握る主導権

自動車メーカー同士が統合するよりも、資本提携によって緩やかにグループ化するほうが、リスクを抑えやすい。一方で自動車メーカー単独ではスケールメリットを得にくいという現実もある。BEVやソフトウェア定義型車両(SDV。車の機能や価値をハードではなくソフトウェアで決め、購入後も更新で進化する自動車)の時代に入り、自動車産業の再編を主導するのは、自動車メーカーではなく
・メガサプライヤー
・IT企業
ではないかという見方が強まっている。
ドイツのメガサプライヤーであるボッシュは、ブレーキやステアリング、エンジン、バッテリー制御のソフトウェア・ハードウェア、さらにはパワートレインまで幅広く手がける。ドイツや中国の自動車メーカーに製品を供給しており、2024年の営業収益903億ユーロ(約16.6兆円)のうち、モビリティ分野が558億ユーロと全体の
「61.8%」
を占めた。参考までに、日本の大手サプライヤーではアイシンが4.9兆円、デンソーが7.1兆円の規模にとどまる。
BYDや上海汽車集団(SAIC)、上海蔚来汽車(NIO)といった中国の新興自動車メーカーが、短期間で安定した車両供給を世界規模で実現できた背景には、ボッシュをはじめとするメガサプライヤーの製品力がある。自動車づくりにおいて、今後はこうしたサプライヤーの存在感が一段と高まるとみられる。
さらにSDVや自動運転に不可欠な高性能SoCやソフトウェアの分野では、資金力と開発力を持つIT企業との連携が避けられない。ソフトウェアでは、
・Waymo(米国)
・Wayve(英国)
・Mobileye(イスラエル、インテル傘下)
・Baidu(中国)
・Pony.ai(同)
が最先端とされるが、どの陣営と組むかが戦略上の分かれ目となる。BEVやSDVの時代において、日本の自動車メーカーが国際的に連携すべき相手は、海外の完成車メーカーではなく、サプライヤーやIT企業だ。