国際的な連携――M&Aで再建する日本車業界【連載】Make Japanese Cars Great Again(8)

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スケールメリットを掲げた自動車メーカー統合は、本当に最適解なのか。VWの巨額損失やステランティスの設備再編が示すのは、統合の重さだ。BEV・SDV時代、主役は完成車ではなくサプライヤーとIT企業へ移りつつある。

資本提携が選ばれる現実的理由

戦略イメージ(画像:Pexels)
戦略イメージ(画像:Pexels)

 自動車メーカーの経営統合は、スケールメリットという成果を得るまでに時間を要する一方で、

・財務負担の増加
・過剰な生産設備の再編
・複雑化するステークホルダーとの関係

といった負の側面が目立つ。その意味では、トヨタが進めてきた資本提携戦略のほうが現実的といえるかもしれない。

 トヨタは、100%子会社のダイハツをはじめ、

・スバル
・スズキ
・マツダ
・いすゞ
・日野
・ヤマハ

と資本関係を持ち、完成車の供給や技術協力、共同開発などを相互に行ってきた。なかでもトヨタとスバルの関係は深く、両社で開発した新型BEVをスバルの工場で生産し、北米などで販売する体制をとっている。トヨタはまた比亜迪(BYD)をはじめとする中国企業とも資本関係を築いている。

 資本提携は、スピード感を持って一気に戦略を進める手法ではない。しかし必要な分野に限って連携でき、過度な財務負担を避けられるうえ、各メーカーが培ってきた独自の企業文化を維持できる点に強みがある。2025年、ホンダと日産の経営統合が破談に終わったことを踏まえれば、VWグループ方式やステランティス方式を含め、自動車メーカーの全面的な統合は

「現実性に乏しい選択肢」

ではないか――。

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