国際的な連携――M&Aで再建する日本車業界【連載】Make Japanese Cars Great Again(8)

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スケールメリットを掲げた自動車メーカー統合は、本当に最適解なのか。VWの巨額損失やステランティスの設備再編が示すのは、統合の重さだ。BEV・SDV時代、主役は完成車ではなくサプライヤーとIT企業へ移りつつある。

対等合併で生まれた課題

IT企業の開発イメージ(画像:Pexels)
IT企業の開発イメージ(画像:Pexels)

 では、欧州で二番目に大きい自動車グループであるステランティスはどうか。

 ステランティスは、プジョーやシトロエン、オペルを擁するPSAと、フィアットとクライスラー連合のFCAが対等合併し、2021年に発足した。もっともステランティスはあくまでコーポレートブランドであり、その名称を冠した車両は製造されていない。

 ステランティスも経営統合の際、スケールメリットを前面に掲げた。STLAプラットフォームを開発し、車両基盤を五つに集約する計画を打ち出している。ただし現時点では、統合前に開発されたプラットフォームも併用されており、共通化はなお途上にある。

 2025年には欧州で5億ユーロ(約900億円)を投じ、過剰な生産設備の再編に取り組んでいる。2025年第3四半期決算では、372億ユーロと前年同期比13%増の純利益を計上したが、その多くは北米や欧州での工場停止による在庫調整の効果によるものだ。生産設備の過剰感は依然として残っている。

 経営統合はスケールメリットを期待できる一方で、生産設備の統廃合や過去から引き継いだ負のレガシーの清算が避けて通れない。統合の成果が本格的に現れるまでには、一定の時間を要する。

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