「駅前再開発」「整備新幹線」はもう不可能なのか?――予算2倍でも進まぬ工事、人手不足&資材高騰が直撃する鉄道事業の新たな危機

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人手不足と資材高が建設現場を直撃している。建設労働者はピーク比3割減、躯体工事の求人倍率は8倍超。再開発や新幹線計画が相次ぎ見直され、建設会社が仕事を選ぶ時代が現実になりつつある。

資材費と労務費は上昇の一途

事実上白紙化された名鉄名古屋駅周辺再開発の完成イメージ(画像:名鉄)
事実上白紙化された名鉄名古屋駅周辺再開発の完成イメージ(画像:名鉄)

 労務費の上昇は建設コストにはね返る。国土交通省によると、地方自治体が工事発注の資料に使う公共工事設計労務単価(1日当たりの賃金基準)は、2025年3月の改定で前年度比6.0%増の2万4852円に上がった。13年連続の引き上げで、2012(平成24)年比で約1万2000円上昇している。

 資材費高騰の影響も大きい。日本建設業連合会によると、11月の資材費を2021年1月と比べると、

・H型鋼(建物の柱や梁に使われる代表的な構造用鋼材):42%
・生コンクリート:69%
・コンクリート型枠用合板:43%
・板ガラス:83%

の価格上昇。世界的な原材料不足に円安が追い打ちをかけた格好だ。

 日本の商慣習では、資材費の高騰分を取引価格に反映できず、建設会社側が自腹で負担するのが一般的。かつては高品質なものを安価で提供するのが建設会社の腕の見せどころとされたが、ここまで高騰すると経営を圧迫しかねない。

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