「駅前再開発」「整備新幹線」はもう不可能なのか?――予算2倍でも進まぬ工事、人手不足&資材高騰が直撃する鉄道事業の新たな危機
人手不足と資材高が建設現場を直撃している。建設労働者はピーク比3割減、躯体工事の求人倍率は8倍超。再開発や新幹線計画が相次ぎ見直され、建設会社が仕事を選ぶ時代が現実になりつつある。
全国各地で駅前再開発が白紙

鉄道事業者が進める駅周辺の大規模再開発が、人手不足や資材費の高騰から相次いで中止や見直しに追い込まれている。名鉄の名古屋駅(名古屋市中村区)再開発では2025年11月、設計段階から事業に協力し、入札に加わったゼネコン3社が工事の人材確保難を理由に辞退し、計画が事実上の白紙に戻された。
新宿駅(東京都新宿区)西南口再開発では、施工業者が決まらず、京王電鉄が3月、南街区の工事完了を2028年度から未定に変更した。京王百貨店新宿店がある北街区は2040年代完成の目標が残るものの、京王電鉄は事業内容を精査中だ。
大阪メトロが中央線に支線を設け、新駅(大阪市城東区)整備を予定する森之宮検車場周辺では、1万人以上を収容するアリーナと大阪公立大新キャンパスの事業者公募に応募がなく、9月から計画がストップしたまま。設定予算内での施工に採算面の危惧があったとみられ、大阪メトロは「今後の方針を検討している」と苦慮している。
JR九州は9月、JR博多駅(福岡市博多区)の線路をまたぐ新施設計画を中止した。総事業費435億円を投じ、空に浮かぶ新ランドマークを建てる構想だったが、事業費が想定の約2倍に膨らみ、採算を見込めないと判断したからだ。