ドリフト走行は“文化”か“暴走”か――公道なら最長15年拘禁? 26年法改正で“ストリートとの決別”か

キーワード :
公道でのドリフト走行は事故多発と社会的損失を生む一方、日本発のモータースポーツ文化や関連産業の成長も支えてきた。2026年の法改正は、無秩序な危険運転を抑制しつつ、安全な競技・ビジネス環境を整備する転換点となる。

ドリフト族の出現と変遷

ドリフト族(画像:警視庁)
ドリフト族(画像:警視庁)

 日本では、1970年代に「ドリフト族」と呼ばれる集団が、改造を施した車両で危険な走行を繰り返していた。1980年代以降、警察による取り締まりが強化されたことで、こうした大規模な集団は次第に姿を消していった。

 ところが、その後も峠道で車体を傾けて走る「ローリング族」、首都高速を舞台にする「ルーレット族」や「環状族」といった違法競走を目的とする層が現れた。これらは自己顕示のために過激な走行を披露する傾向があり、そのなかでドリフトも技術を競う手段として取り入れられてきた。

 こうした走行は、激しいスキール音や排気音によって周辺住民の生活環境を損なうだけではない。操作ミスによる民家や一般車への衝突事故も相次いでいる。峠道での崖下転落や港湾地区での海中転落など、命に関わる事故が頻発している事態は看過できない。さらに、救急車をはじめとする緊急自動車の通行を妨げる事例も報告されており、個人の趣味を逸脱した深刻な社会問題となっている。

 警察による検問などの対策に加え、自治体もインフラ面での対応を余儀なくされている。路面に波状の凹凸を設ける「スピードセーブ工法」や、滑り止めの溝を掘る「グルービング工法」が各地で導入された。これらは本来、交通安全のために行われるものだが、違法走行を抑止するための追加的な投資であり、地域の財政に負担を強いる要因にもなっている。

 こうした対策に投じられる公的資金は、本来であれば次世代の交通網整備や地域の利便性向上に充てられるべきものだ。不適切な走行がもたらす社会的な損失は極めて大きい。

全てのコメントを見る