路線バスはこのまま消滅するのか? 全国減便10%、2025年に露呈したインフラ崩壊の臨界点
2025年、日本のバス業界は耐え忍ぶ段階から構造再編を迫られる年に突入した。労働時間規制で全国便の約10%が減便、都市部も影響を受ける一方、AIオンデマンドや完全キャッシュレス化で効率改善の兆しも見え、維持策と技術革新の両立が課題となる。
AIによる配車・運行最適化

最近は人件費削減を目的に、自動運転バスの試験を行う地域が増えている。しかし普及拡大は依然として遠い。管制システムの標準化、安全対策としての車掌の乗務可能性、車両やシステムのメンテナンスコストが高止まりするとの予測があり、全国展開には至っていない。
一方で、AIを活用したダイヤ生成や配車最適化による経営改善の取り組みも進んでいる。路線バス運行では車両や乗務員の配置が重要であり、AIはリソースの最適活用や効率的な車両運用計画、乗務員シフトの作成を支援できる。コスト削減への貢献も期待され、業界内でDXへの関心が高まっている。
AI導入により、運行回数を減らしつつ利便性を維持する「選択と集中」が現実的な経営判断の支援策となる可能性がある。今後は、導入効果の精緻な検証が求められる。
路線単位から地域単位での柔軟な乗合モデルが拡大している。地域内のオンデマンド運行が増えつつあるのである。定時定路線の場合、ダイヤ通りの運行が義務となる。運行を怠ると住民に目撃・通報され、車両使用にペナルティが課される事業者もあった。
こうした状況で、インターネットやAIを活用したオンデマンド・予約制運行への移行が可能になった。必要なときに必要な車両を運行できる仕組みである。筆者が地域公共交通活性化協議会の会長を務める東京都三鷹市では、AIオンデマンド乗合車両の運行地域が増え、通院時間帯など稼働率が高い時間帯もある。
コミュニティーバスの運行受託も、人手不足で路線バス事業者にとって悩みとなっている。地元タクシー会社も巻き込んだAIオンデマンド乗合車両の導入が検討されている。補助金の性格も「赤字補填」から
「再編支援」
へと変わり始めている。