「日本に技術を取り戻したい」 日産CEOの熱きレガシー宣言! AIで加速する開発力、中東を「宝石」と呼ぶグローバル戦略とは【リレー連載】頑張っちゃえ NISSAN(9)

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日産はAIを核とした次世代プロパイロット開発で2027年度の国内投入を目指す。Wayve社との提携やLiDAR活用により、開発期間を数週間短縮し、EV・自動運転技術の進化を加速。柔軟な生産体制とブランド強化で、グローバル競争力と日本産業への貢献を同時に狙う。

CEOが描く将来像

日産・イヴァンエスピノーサ氏(画像:日産自動車)
日産・イヴァンエスピノーサ氏(画像:日産自動車)

 かつて世界を席巻した日産は、今また大きな岐路に立っている。EVシフトの遅れ、米中市場での苦戦、巨額赤字――逆風は強い。しかし新型リーフやマイクラEVの投入、ハイブリッド戦略、生産体制の再構築など、未来への挑戦は止まらない。 本リレー連載「頑張っちゃえ NISSAN」では、厳しい現実と並走しながらも改革を進める日産の姿を考える。

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 日産自動車のイヴァン・エスピノーサ社長が、サウジアラビアの公共投資基金傘下の非営利組織「Future Investment Initiative Institute(FIIインスティテュート)」のYouTube動画に登場した。

「日産のCEOが語る 自動車の未来を勝ち取るのは誰か?(Nissan’s CEO on Who Wins the Future of Auto?)」と題されたこのインタビューで、エスピノーサ氏は自社の戦略を率直に語っている。

 本稿では同動画をベースに、日産がAIを核とした自動運転技術の実用化をどう進めようとしているのか、その全体像を追う。

Wayve社との協業強化

日産とWayveが協業契約締結(画像:日産自動車)
日産とWayveが協業契約締結(画像:日産自動車)

 日産は2025年12月10日、英国のスタートアップWayve社と次世代運転支援システム「プロパイロット」の開発で協業契約を結んだ。

 今回の提携では、Wayve社の「Wayve AI Driver」というエンボディドAIソフトウェアと、日産の次世代LiDAR技術を融合させる。LiDARは「Light Detection and Ranging」の略称で、レーザー光によって周囲の物体との距離や形状を精密に測るセンサー技術だ。車両周辺の地図をリアルタイムで生成し、障害物や歩行者、車線を検知できるため、自動運転や高度な運転支援には欠かせない。

 この組み合わせにより、先進運転支援システム(ADAS)とポイント・ツー・ポイントの高度な自動運転の実現を狙う。日産は、Wayve社のAIを採用した次世代「プロパイロット」搭載モデルを2027年度に国内で発売する計画を立てている。

 振り返れば、日産は2016年に高速道路の単一車線でドライバーを支援する「プロパイロット」を初めて市販車に搭載した。2019年には高速道路の複数車線での運転支援と、同一車線内でのハンズオフを可能にする「プロパイロット2.0」を投入している。2025年9月には、開発試作車を使ったデモを東京・銀座で実施した。

 電気自動車「アリア」ベースの試作車は、複雑な交通環境でも安全に走行する姿を披露した。日産は2027年度の市場投入に向けて、当局の認可を得ながら実証実験を積み重ねていくとみられる。

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