国際線停止の危機! タイ「ノックエア」凋落から学ぶ、日本航空界が絶対に繰り返せないガバナンスの教訓とは?

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タイ国際航空の子会社として2004年に設立されたノックエアは、国内24都市を結ぶ路線網を築き、2013年には上場を果たした。しかし労使対立や安全問題、コロナ禍による経営破綻を経て、2025年には全国際線運航停止に追い込まれるなど、LCC運営の難しさを象徴する存在となった。

人員不足の深刻化

 ノックエアはリストラで経営を立て直したが、コロナ禍後は相次ぐトラブルに苦しむことになった。2023年から2025年にかけて、飛行中のエンジン停止や滑走路でのオーバーラン、機材メンテナンスの不備など、不祥事が相次いだ。特に2024年12月30日には、バンコク・ドンムアン空港で離陸に二度失敗する事故が発生し、同時期にチェジュ航空で起きた墜落事故を思わせる内容となった。

 コロナ禍前から続く人員不足も深刻で、パイロットや機材点検要員が相次いで退社した。特に安全運航の教育担当である教官の不足は、新規パイロットの育成に大きな障害となった。こうした重大問題により、ノックエアはタイ政府からの不信を招いた。業績も低迷し、2023年第三四半期には約12億7940万バーツの純損失を計上した。

 再建策の一環として、2025年1月9日にはタイ証券取引所への上場を廃止する事態に追い込まれた。そのほか、スワンナプーム国際空港での発着枠交渉や航空機の受領延期、機材統一、インド市場への進出拡大などの再建策を発表した。しかし安全面への疑問は解消されず、2025年9月にはタイ民間航空局(CAAT)から全ての国際線の運航停止命令を受けた。同社は抗議しているが、度重なる不祥事により脱却は容易ではない状況にある。

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