ANAとJALが「推し活」対決? 市場規模3.5兆円、アイドル・アニメの“遠征”需要で地域経済に新風か

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推し活人口は1384万人、年間支出は1人平均25万円、国内市場は約3.5兆円規模に達する。ANAやJALはリアル・バーチャルの推し体験を軸に、地方誘客や周辺サービスを巻き込み、新たな航空収益モデルを模索している。

ANAのアイドル推し、JALのアニメ推し

出発を待つANA機(画像:菅原康晴)
出発を待つANA機(画像:菅原康晴)

 2025年10月6日、ANAとJALが「推し活」に関するプレスリリースを同日に発表した。両社が意図的に同日に発表したかは不明である。

 推し活とは、推し(応援したい対象)を中心に旅行や体験を楽しむ活動を指す。アイドルやアニメ、ゲームなど、個人の好きなコンテンツとの接点を軸に、観光や地域との接続を生む新しい市場である。航空会社もこの需要に注目している。

 ANAは、傘下のANAあきんど山陰支店が萩・石見空港利用拡大促進協議会と連携し、島根県西部と山口県北東部を舞台にした推し活ツアーを2025年12月13日~14日に実施すると発表した。東京(羽田)~萩・石見線を活用し、観光誘客を促進する狙いである。

 ANAは芸能プロダクションのディアステージと協力し、推し活を通じた地域活性化を目指す「推し活×地域活性プロジェクト」を展開している。今回の取り組みはその第8弾だ。ディアステージ所属のアイドルグループ「きゅるりんってしてみて」を島根県・山口県へ招き、ファンとの交流会を組み込む。1泊2日で両県を巡るツアーを企画した。

 一方、JALはバンダイナムコフィルムワークスなどと協力し、2025年11月7日公開の映画「ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 完結編 第2章」とのコラボレーションを発表した。デジタル技術を駆使し、ロケーションにひもづいた演出やインタラクティブな仕掛けで、映画の世界観と現地体験を結び付ける。

 JALは地域との関係を生かし、旅のさまざまな接点で「推しへの没入体験」を提供する。京都・大阪・神戸を舞台に、作品世界と現実を融合させた新たな体験価値を届けるという。

 いい換えれば、ANAはリアルなアイドルとのツアー、JALはアニメ映画とのバーチャルツアーである。いずれも「推し」を軸に地域経済や観光に新しい価値を創出する試みだ。

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