国際線停止の危機! タイ「ノックエア」凋落から学ぶ、日本航空界が絶対に繰り返せないガバナンスの教訓とは?
タイ国際航空の子会社として2004年に設立されたノックエアは、国内24都市を結ぶ路線網を築き、2013年には上場を果たした。しかし労使対立や安全問題、コロナ禍による経営破綻を経て、2025年には全国際線運航停止に追い込まれるなど、LCC運営の難しさを象徴する存在となった。
LCC戦略の迷走
ノックエアはタイ国際航空の子会社でありながら、独立志向が強く運営されていた。この姿勢は親会社との対立を生んだ。2011年、タイ国際航空は自社の統制下に置こうと、ノックエアの他株主、特に大手銀行であるクルンタイ銀行との株式取得交渉を進めた。しかし銀行はこれを拒否し、完全子会社化は叶わず、出資比率は49%にとどまった。
その後、2017年にはタイ国際航空の持ち株比率は21.57%まで減少した。背景には、対立の激しいノックエアへの関心を親会社が失ったことがある。タイ国際航空は同年、完全子会社として新たなLCC「タイスマイル」を設立した。これにより、ノックエアに加えてノックスクートも含め、3つのLCCを抱える異例の状況となった。
しかしタイ市場では、エアアジアやベトジェットなど外資勢も含めて競争が激しい。親会社の影響下で路線を展開する3社は目立つことができず、特色を打ち出せなかった。結果として、3社とも埋没し、共倒れのような状況に陥った。