中国の国有航空機メーカー「COMAC」、今後“中国版ボーイング”になれるのか? 国家戦略で挑むC919と国際認証への道
中国初の国産旅客機C919が商業飛行を開始。政府支援で1200機超の受注を抱える一方、エンジンやアビオニクスは欧米依存。国内優位を背景に国際市場への挑戦が始まる。
国策で支えられるC919の挑戦

中国商用飛機(COMAC)が開発したナローボディ旅客機C919は、2023年5月28日に上海から北京への商業飛行を初めて成功させた。1980年代に開発が頓挫した「Y-10」以来、数十年ぶりの国産ジェット旅客機であり、中国の航空史に新たな章を刻む出来事となった。
COMACは国有旅客機メーカーとして、中国政府の強力な支援を受けている。政府はC919を航空産業全体の戦略的育成の中心として位置づけ、政策面や資金面で全面的に後押ししている。すでに1200機を超えるバックオーダーを抱えており、国内市場での安定した需要を背景に生産体制を整えていることは、航空産業全体の技術蓄積や関連産業への波及を意味する。
一方で、C919が世界市場で欧米の航空機メーカーと肩を並べられるかは、まだ明確ではない。航空機の性能や信頼性だけでなく、国際的な認証やブランド力の確立も不可欠であり、COMACはこれから国際的な競争の中で実績を積み上げる必要がある。中国政府の後押しがあるとはいえ、C919の挑戦はここからが本番だ。