多摩モノレール延伸の実態! 既存区間またぎ8割、沿線地価上昇3%――南北軸延伸でも「町田未接続」が浮き彫りに
東京都は多摩都市モノレールを上北台から箱根ケ崎まで7.1km延伸、総事業費約1,290億円。新駅開業で武蔵村山市に鉄道が通り、日量約4.1万人の新たな移動需要と沿線地価上昇、都市圏経済波及の可能性が注目される。
全線利用者17万7000人のインパクト

今回の延伸により、地域の移動構造に変化が生じる。国土交通省鉄道局都市鉄道政策課が2025年3月11日に発表した「多摩都市モノレール株式会社の軌道事業特許について」によれば、新規開業区間の1日利用者数は約4万1445人と推計される。
既開業区間と新規区間を跨ぐ利用者は約3万1572人で、全体の約8割を占める。新規区間内だけの利用は2割にとどまる。全線の1日利用者数は約17万7428人と見込まれ、延伸による交通需要の集中が見込まれる。
多摩都市モノレールは西武拝島線、JR中央線、京王線・相模原線、小田急多摩線など都心方向に強い鉄道路線と接続しており、新駅から接続駅を経由して都心に向かうルートが確立されることで、JR八高線沿線から立川へのアクセスや、八王子経由での移動にも変化が出る可能性がある。これにより、従来は東西軸の鉄道に頼っていた利用者が、南北軸も選択肢に加えることができるようになる。
通勤行動の再編も進むと見られる。武蔵村山市のように中央線沿線への移動がスムーズになる地域では、鉄道利用の利便性向上が住宅地の魅力にもつながるかもしれない。過去の中央線立川以西を含む多摩地域では、2015(平成27)年頃に国立市、立川市、八王子市で人口減少が確認されていた。
2016年3月のダイヤ改正では日中の立川~高尾間で列車本数が削減され、話題となった。こうした背景を踏まえると、モノレール延伸は輸送力増強にとどまらず、沿線都市の活性化や人口分布、通勤・通学行動の長期的変化にも影響を与える可能性がある。