多摩モノレール延伸の実態! 既存区間またぎ8割、沿線地価上昇3%――南北軸延伸でも「町田未接続」が浮き彫りに

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東京都は多摩都市モノレールを上北台から箱根ケ崎まで7.1km延伸、総事業費約1,290億円。新駅開業で武蔵村山市に鉄道が通り、日量約4.1万人の新たな移動需要と沿線地価上昇、都市圏経済波及の可能性が注目される。

新駅開発のリスク

「多摩地域データブック」(画像:東京市町村自治調査会)
「多摩地域データブック」(画像:東京市町村自治調査会)

 多摩地域の人口は2018年時点で約423万人であった。少子高齢化が進み、65歳以上の比率が増加する一方で、働き手の減少も予測される。加えて、コロナ禍でテレワークが広がり、従来の通勤・通学パターンが変化していることもあり、延伸後の輸送需要予測が過大との指摘もある。

 新駅周辺の開発圧力は、既存市街地の空洞化を進めるリスクを抱える。都市開発の優先度や土地利用の最適化の観点から、延伸事業の効果が一部地域に偏る可能性も考えられる。延伸による経済波及効果や沿線都市価値の向上を最大化するには、地域全体のバランスを見据えた計画調整が不可欠だ。

 東京市町村自治調査会の2020年「多摩地域データブック」によると、武蔵村山や瑞穂では人口減少が進行しており、モノレール延伸地域も同様の傾向にある。新駅整備は、人口減少地域における交通利便性の向上と地域経済活性化を両立させられるかの判定基準である。

 都市計画や沿線開発と整合性を取りつつ、公共交通としての役割を果たすかが、延伸事業の成功のポイントとなるだろう。

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