多摩モノレール延伸の実態! 既存区間またぎ8割、沿線地価上昇3%――南北軸延伸でも「町田未接続」が浮き彫りに

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東京都は多摩都市モノレールを上北台から箱根ケ崎まで7.1km延伸、総事業費約1,290億円。新駅開業で武蔵村山市に鉄道が通り、日量約4.1万人の新たな移動需要と沿線地価上昇、都市圏経済波及の可能性が注目される。

沿線都市の地価・魅力向上

「多摩都市モノレール株式会社の軌道事業特許について」需要予測結果(画像:国土交通省)
「多摩都市モノレール株式会社の軌道事業特許について」需要予測結果(画像:国土交通省)

 中央線沿線から八高線沿線、その先の地域へのアクセス改善も期待される。通勤・通学の利便性向上はもちろん、沿線での生活利便性やレジャー利用の促進にもつながることが期待される。移動手段の選択肢が増えることで、都市の回遊性が高まり、沿線の商業やサービス需要にも影響を及ぼすと見られる。

 モノレール延伸は沿線都市の価値向上に直結する。武蔵村山市内には新駅が設置され、これまで鉄道空白地だった地域の不動産や商業地価の再配置が進むと想定されている。沿線地価の上昇率は平均で約3%と見込まれ、居住需要の増加も期待される。都市計画やまちづくりの観点からも、新駅周辺での土地利用の最適化や公共空間整備が進むことで、地域全体の魅力向上につながる。

 一方で、地域の路線バス事業にも影響が出る見込みだ。沿線の路線バスではドライバー不足で減便が続く。モノレールはその補完役として期待され、南北方向の移動を安定的に支える存在となる。多摩地域ではコミュニティーバスやミニバス、デマンド型交通も重要な役割を果たすが、ドライバー不足や委託運営の制約により限界がある。モノレールはこうした課題の緩衝材として、沿線都市の価値向上と公共交通の信頼性確保に寄与する。

 延伸により、移動構造の変化、沿線都市の地価上昇、バス輸送の補完という三つの効果が見込まれる。都市圏の経済波及を見据え、事業化に至るまでの意思決定の遅れを取り戻す迅速な開通が求められる。

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