日産は「EV専業」でなければ中国で勝てないのか? PHV×智能化ICEで挑む逆境突破の複合戦略

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世界最大の自動車市場・中国で日産は販売シェア6%に低下。急速なEV普及と規制強化の中、PHV「N6」とICEセダン「ティアナ」投入で規制対応と収益改善を両立できるかが注目される。

中国EV市場の変貌

新発売のN6 PHV(上段)と新型ティアナ(画像:日産自動車)
新発売のN6 PHV(上段)と新型ティアナ(画像:日産自動車)

 世界最大の自動車市場である中国では、電気自動車(EV)や新エネルギー車(NEV)の普及が急速に進み、市場構造は大きく変化している。BYD(比亜迪)や吉利汽車といった現地メーカーは、価格競争力に加え、ソフトウェアの高度化やきめ細かいサービス網を武器にシェアを拡大している。

 一方、かつて強固な地盤を築いた日系メーカーは苦戦を強いられている。特に日産は、長年セダン市場で優位性を保ってきたものの、直近では中国での販売シェアが約6%まで低下した。2024年の年間販売台数は前年より約12%減の69万台に落ち込み、内燃機関車(ICE)車への依存という構造的課題が浮き彫りになっている。

 制度面では、中国政府による

・CAFC規制(企業全体で販売する自動車の平均燃費を一定基準以上に保つことを求める制度)
・NEVクレジット規制

という二重の制度が、メーカーに対して電動化の迅速な推進を迫る。こうした状況下では、完全なバッテリー電気自動車(BEV)への移行だけでなく、短期的な収益確保と規制対応を両立できるプラグインハイブリッド車(PHV)の存在が戦略的に重要となる。日産が投入する新型「ティアナ」と「N6 PHV」は、同社が中国市場でどの方向にかじを切るのかを示す指標として注目される。

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