日産は「EV専業」でなければ中国で勝てないのか? PHV×智能化ICEで挑む逆境突破の複合戦略

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世界最大の自動車市場・中国で日産は販売シェア6%に低下。急速なEV普及と規制強化の中、PHV「N6」とICEセダン「ティアナ」投入で規制対応と収益改善を両立できるかが注目される。

ICEモデルのブランド維持

新型ティアナの内装、大型ディスプレーとOTAアップデートの採用(画像:東風日産)
新型ティアナの内装、大型ディスプレーとOTAアップデートの採用(画像:東風日産)

 市場には「中国ではEV専業車しか勝てない」という見方があるが、充電インフラの課題や長距離移動のニーズを考慮すると、PHVは消費者にとって安心できる選択肢として安定した需要を持つ。

 ICE車の需要は地方都市や保守層に底堅く残っており、ティアナのような知名度の高いモデルを最新のデジタル技術で刷新すれば、ブランド価値を維持しつつ既存顧客をつなぎ止めることができる。制度への理解と既存資産の活用があれば、収益改善の道筋は描ける。

 具体策としては、PHVとICE併用モデルの量産による規制適合、現地サプライチェーン活用でのコスト最適化、インテリジェント機能の標準搭載とプラットフォーム共通化による開発効率向上が挙げられる。低~中価格帯での販売力確保も不可欠だ。

中国発グローバル戦略

日産自動車のイメージ(画像:日産自動車)
日産自動車のイメージ(画像:日産自動車)

 この戦略が成功すれば、5年後にはPHVが日産中国市場のNEV主力セグメントとなり、制度対応と収益改善を同時に達成できる。市場の反応や規制変化を踏まえた柔軟な調整も重要である。

 10年後には、中国で育成された「N6」系PHVやティアナ派生モデルが中国市場にとどまらず、欧米・アジア向けのグローバル戦略車として輸出され、日産全体の収益源に成長している可能性もある。

 販売台数の増減に左右されず、制度・経済・技術・消費者動向を踏まえて戦略の成功可能性と潜在リスクを判断することが、経営判断のポイントとなるだろう。

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