日産は「EV専業」でなければ中国で勝てないのか? PHV×智能化ICEで挑む逆境突破の複合戦略

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世界最大の自動車市場・中国で日産は販売シェア6%に低下。急速なEV普及と規制強化の中、PHV「N6」とICEセダン「ティアナ」投入で規制対応と収益改善を両立できるかが注目される。

ブランド価値の再構築

N6に先立って投入されたBEVのN7。月間1万台の堅調な販売実績(画像:東風日産)
N6に先立って投入されたBEVのN7。月間1万台の堅調な販売実績(画像:東風日産)

 日産が直面する最大の課題は、中国市場で失ったシェアと収益をどのように取り戻すかである。EVを投入すればよいわけではない。

 ポイントとなるのは、ICE、PHV、EVという三種類を最適に組み合わせることだ。厳格な制度規制と変化の激しい消費者ニーズに応える商品戦略を構築しつつ、ブランド価値を維持・刷新する必要がある。

 現地化の徹底とグローバル戦略との整合性も、経営陣が直面する重要課題だ。バランス感覚の巧拙が、競争力の持続に直結する。

N6 PHVでボリュームゾーン参入

新型ティアナ。全長4.9mの堂々とした車体と高級感(画像:東風日産)
新型ティアナ。全長4.9mの堂々とした車体と高級感(画像:東風日産)

 東風日産が進める戦略は明確である。主力セダン新型「ティアナ」でICE顧客を囲い込みつつ、新型「N6 PHV」でボリュームゾーンに参入する。

 この戦略は三つの軸で支えられている。PHV投入によるCAFC規制への適合、ICEでの利益率維持とPHVによる新たな収益確保、そしてインテリジェントコックピットなど現地消費者ニーズへの対応である。

 PHV投入は、価格競争が激しいEV専業メーカーとの直接対決を避けながら収益を確保する現実的なNEV戦略として合理性が高い。

ティアナのインテリジェント機能強化

N6 PHV。日本円換算で約240万円の低価格(画像:東風日産)
N6 PHV。日本円換算で約240万円の低価格(画像:東風日産)

 投入モデルのスペックと市場性が、戦略の妥当性を裏付ける。新型「N6 PHV」は1.5Lエンジンと21.1kWhのLFPバッテリーを組み合わせ、BYDの同クラス車と比べても大容量を備える。価格は約240万円で、BEV「N7」よりも低く設定され、現地の低価格NEV需要を狙う。

 一方、ICE主力車のティアナにはHuawei「HarmonySpace 5.0」を搭載し、インテリジェント機能やスマホ連携を実現する。NEV規制対応と収益改善の因果関係は明確で、両モデルの同時投入は戦略的に合理的である。

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