「無料だけじゃ差がつかない」 今、ビジネスホテルで“朝食戦争”が勃発しているワケ
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立地・客室・料金が拮抗するビジネスホテルで注目されるのは朝食。バイキング形式は満足度向上と効率化を両立する一方、フードロスの課題も顕在化。TABETEや完成度重視の定食設計により、口コミ評価3.6→4.5点、ロス半減の成果も現れている。
利用者参加型の定食づくり

フードロス削減では、TABETE以外にも注目すべき取り組みがある。アプリコット(茨城県つくば市)が運営するつくばの湯アーバンホテルの事例だ。ビュッフェの満足度を高めながらフードロスを削減する、という狙いで実施されている。
同取り組みでは、「完成度の高い定食」から逆算し、工場のライン設計思想を応用することで、誰でも美しく盛り付けられる仕組みを作った。メイン料理と副菜を印象付けるプレートや彩りを添える小鉢を用意し、シェフが出来立てを提供するライブキッチンを導入した。これにより、利用客が「完成度の高い定食」を自ら仕上げられるよう設計されている。結果として、
・盛り付けの失敗
・過剰な取り分け
を防ぎ、必要量だけを美しく取ることが可能となった。利用客の満足度が向上したうえ、フードロスも同時に削減された。同社によれば、2025年4月以降、宿泊予約サイトの口コミ評価は前年同期比で3.6点から4.5点に上昇し、フードロスも半分に減少したという。
TABETEが余った料理への対応であるのに対し、アプリコットの取り組みはそもそも料理を余らせない対策だ。ライブキッチンは上位クラスやシティホテルでなければ導入は難しいが、プレートや小鉢といった器の工夫で、セルフサービスながら利用客に「完成度の高い定食」を作ってもらう発想は斬新である。
この手法がフードロス削減に直結するなら、多くのビジネスホテルでも応用可能なアイデアといえるだろう。