「無料だけじゃ差がつかない」 今、ビジネスホテルで“朝食戦争”が勃発しているワケ

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立地・客室・料金が拮抗するビジネスホテルで注目されるのは朝食。バイキング形式は満足度向上と効率化を両立する一方、フードロスの課題も顕在化。TABETEや完成度重視の定食設計により、口コミ評価3.6→4.5点、ロス半減の成果も現れている。

広がるフードシェアリングサービス

「TABETE」の導入による「ホテルブッフェの日替わり弁当」(画像:藤田観光)
「TABETE」の導入による「ホテルブッフェの日替わり弁当」(画像:藤田観光)

 バイキング形式には供給側・需要側双方にメリットがあるが、同時に大きなデメリットも存在する。それは

「フードロス」

の問題である。

 セットメニューでも完食されるとは限らず、一定の食べ残しは避けられない。しかし、バイキングの場合、各料理は見込み生産となるため、ロス量の予測がさらに難しい。作り過ぎればフードロスとなり、少な過ぎれば早期の品切れにつながる。バイキングでは品切れや補充不足は致命的なクレームとなりうる。

 小規模なホテルでは、宿泊客が少ない日にはバイキングを中止し、セットメニューに切り替える例も珍しくない。

 こうした課題に対応する形で、ホテル業界ではフードシェアリングサービス「TABETE」の導入が進む。「TABETE」は、東京都港区のコークッキングが提供する食品ロス削減サービスだ。藤田観光は2022年に導入し、「ワシントンホテル」「ホテルグレイスリー」の一部店舗で、バイキングの残り料理をランチボックスに詰め「ホテルブッフェの日替わり弁当」として450円で販売している。フードロス削減に加え、新規顧客開拓にもつながっている。TABETEは藤田観光以外でも、

・アパホテル
・ベッセルホテル開発
・三井不動産ホテルマネジメント
・ジェイアール西日本ホテル開発

などが採用する。ただし、導入ホテルは上位クラスやシティホテルが中心であり、廉価なビジネスホテルへの普及は未知数である。

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