テスラを抜き去った「内製化の怪物」 低価格EVで世界を席巻、完成度の高さが中国車を変えた
中国BYDが世界のEV市場で首位に立った。2023年の販売は302万台、粗利率23.0%を達成。電池から完成車まで自社生産する垂直統合モデルでコスト優位を確立する一方、海外規制対応や次世代技術開発が今後の成長を左右する。
中国PHV市場を制すBYD

BYDの主力は新エネルギー車、特にプラグインハイブリッド車(PHV)である。好調の背景には圧倒的なコストパフォーマンスがある。
たとえばPHVセダン「秦PLUS DM-i」は、2021年の発表当初、10万元(約200万円)を切る価格で登場し、業界に衝撃を与えた。これは直後に投入された同クラスの日産「シルフィe-power」より約50万円安く、シルフィのガソリン車グレードに匹敵する水準であった。
さらに2025年初め、BYDは複数車種の値下げを実施。秦PLUS DM-iの新車価格は約8万元(約160万円)まで下がり、中国本土の保守的な層の需要まで取り込もうとしている。
この強力な価格競争力の源泉は、垂直統合モデルにある。生産コストを抑えつつ、高い収益を確保する効率的なシステムが、BYDの成長を支えている。