中国「NEV覇権」を奪うのは誰だ? 市場48%占有の大現実、BYD・老舗国有「四大」が激突
中国の新エネルギー車(NEV)比率が年末に50%を超える見通しだ。国有企業が供給の安定を担い、民間勢が技術革新を主導する構図が定着しつつある。補助金延長と値下げ競争を経て、同国はEV市場の主導権を握り、世界標準を再定義する段階に入った。
民間勢との競争激化

かつての中国自動車産業の主軸は、「四大四小」と呼ばれる国有企業、第一汽車、上海汽車、東風汽車、長安汽車である。これらは中央政府の政策支援や、米・欧・日の外資メーカーとの合弁事業を軸に発展してきた。しかし近年、民間企業の台頭によって市場シェアを失いつつある。
そのなかでも、東風汽車と長安汽車の合併構想は頓挫した。組織による統合よりも、自社ブランドの再建を優先する戦略にかじを切った。上海汽車は長年のGMとの合弁契約更新を模索中である。2006年に第一汽車を抜き、中国市場トップに18年連続で君臨していたが、2024年の販売台数では比亜迪(BYD)に抜かれ、2位に転落した。
第一汽車は2030年までに販売台数500万台以上を目標とし、そのうち300万台をNEVで占める計画である。傘下の高級ブランド「紅旗(Hongqi)」は、2028年までに欧州で最大15車種を投入する方針で、高級EVを中心に巻き返しを図る。
これまでは政府主導で国有勢を中心とした業界再編が進められてきた。しかし
・意思決定の遅さ
・リスク回避の消極姿勢
が足かせとなっていた。さらに、技術刷新のスピードでも民間勢との差が広がり、国有勢は徐々に劣勢に立たされ始めている。